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アイスランドの捕鯨基地にて。

アイスランドの捕鯨基地にて。

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乱獲、違法捕鯨、枯渇。この繰り返しによって、ロシア、オーストラリア、アメリカ、日本、ノルウェーなどの捕鯨産業は何種類ものクジラを次々と絶滅寸前のところへと追いやってきました。数十年にわたる捕獲禁止期間を経た現在でも、一部の種は以前のレベルまで回復するのかどうかさえ、わからない状態が続いています。

事実と数字


統計を見るとそれが明らかになります。南極のシロナガスクジラは40年間にわたる完全な保護にも関わらず、現在でも捕鯨が始まる前にいた個体数(初期資源 量といいます)の1パーセントにも満たないのです。一部のクジラの数は回復しつつありますが、そうでないものもあります。唯一、東太平洋に棲むコククジラ だけがその元の豊富な個体数を回復していると考えられていますが、一方で西太平洋に棲むコククジラはまさに絶滅寸前です。現在の個体数はわずか100頭と 推定され、早急な保護が必要です。

最近のクジラのDNA調査から、過去の商業捕鯨はこれまで考えられていた以上に、悪影響を及ぼしてきたことがわかってきました。クジラの初期資源 量を推定する場合、多くの場合過去の捕鯨数から試算されてきましたが、「この方法はしばしば非常に不正確である」と、海洋生物学者、スティーブ・パルンビ (米国カリフォルニア州スタンフォード大学ホプキンス・マリーン・ステーション)は主張しています。

2003年、パルンビ氏と彼の同僚がDNA標本を用いて試算したところ、ザトウクジラの個体数は、1800年代の商業捕鯨が開始される以前には、 150万頭であったという結果が出ました。この数字は、これまで国際捕鯨委員会(International Whaling Commission, IWC)によって認められていた、19世紀の捕鯨記録に基づく10万頭という推定とは、比べ物にならないほど大きい数字です。そして現在のザトウクジラの 個体数はわずか2万頭です。

IWCで日本代表団は、1990年の南極海のミンククジラの生息数である76万頭生息を主張してきましたが、2000年にIWCはこの主張を取り 下げました。最近の調査でその数がはるかに下回っていることがわかったためです。新しい概算ではあらゆる領域で以前の半分とされ、再調査が必要とされてい ます。

高まるクジラに対する脅威

多くの国が捕鯨からホエールウォッチングなどの産業に転換したり、捕鯨の中心であった 南極海がクジラ保護区に指定されたりしましたが(保護区内で捕鯨を行っているのは日本のみ) クジラにとっての脅威はまだまだ残っています。 海洋への人間活動の影響は、クジラが保護されるようになってからこの半世紀で劇的に変化してきたからです。 クジラがさらされている脅威は、世界の気候変動、汚染、過剰漁業、オゾン層の破壊、潜水艦のソナーなどの騒音、そして船舶との衝突など、数多くあります。近代的漁業はクジラの餌になる生物の生息数を減らし、またクジラを漁具にからまる危険へと追いやっています。

クジラ肉の汚染

また、クジラの脂身は、有害化学物質であるPCBや農薬など有機塩素化合物に、高濃度に汚染されていることが報告されています。 その有機塩素化合物は子供たちの発育を損ね、生殖にも影響を及ぼすものとして知られています。 消費者には、流通しているクジラの肉が、汚染されていない安全な肉かどうか、見分けることはできません。


日本の票買い

このようにクジラにとっての脅威がどんどん増えているにも関わらず、IWCでは、商業捕鯨の再開に向けて議論が進んでいます。IWCに最近加盟し捕鯨再開 の議論に熱心な国としては、ベニン、ガボン、ツバル、ナウルなどが挙げられます。これらの諸国が新たに加盟したことで捕鯨再開の賛成票が増えてきているこ とは、世界的なクジラの保護を支持する声を反映したものでないことは明らかです。 これらの小さな国々はみな、「決議票取りまとめプログラム」という名の下に、日本の水産庁によってIWCに参加し投票するように促されているからです。

「国際的に商業捕鯨の再開が認められてきた」と報道されることがありますが、その背景にはこのような状況があるのです。