「鯨類研究保護センター」(Center for Cetacean Research and Conservation)の指導者兼代表。南太平洋に浮かぶクック諸島のタクヴァイン谷(Takuvaine Valley) を拠点に、鯨類など海棲哺乳類の研究・教育・保護・介護活動に力を注ぐ。30年間に亘る人間及び動物の看護士としての経歴も持ち合わせている。
1990年、ナンは「クジラ保護機関」(Whale Conservation Institute)の調査船「オデッセイ号」に乗り、世界の海を舞台とした鯨類研究調査に参加。その後「ニューイングランド・イルカ援助活動プロジェクト」(New England Dolphin Outreach Project)の設立者及び指導者として、「イルカ調査センター」(Dolphin Research Center)や「クジラ保全機関」(Whale Conservation Institute)などの様々な非営利団体を対象に、国際的レベルで教鞭を振るう。
「メイン湾水族館」(Gulf of Maine Aquarium)、「チェウォンキー環境基金」(Chewonkie Environmental Foundation)、そして「世界海洋教育者協会」(National Marine Educators Association)の理事を兼任。やがて彼女が担当したイルカの映像が「ディスカバリーチャンネル」(Discovery Channel)や「ナショナルジオグラフィック」(National Geographic)で放映されると、彼女の名は鯨類の研究者として世界に知れ渡るようになる。
ナンはバハマでも、過去11年にわたりツチクジラ、イルカ、マッコウクジラなどの鯨類研究を行っている。彼女はここで、観察が難しく生態がほとんど知られていなかったコブハクジラ(Mesoplodon densirostris)の水中撮影に世界で初めて成功。何千枚にも及ぶ彼女の写真が、このクジラの生態判明に大きく役立っている。
現在「クック諸島鯨類研究所」(Cook Islands Whale Research)のディレクターでもあり、クックアイランド諸島の海域200km²を鯨類保護区としたキーパーソンでもあるナンは、この水域を回遊するザトウクジラを調査対象種としている。指紋同様それぞれ異なる尾びれの模様を判別することのよる固体識別、クジラの「声」や遺伝子の研究、体内蓄積有害物質の調査、そして水中写真撮影などの調査風景は、「ディスカバリーチャンネル」(Discovery Channel)、「ナショナルジオグラフィック」(National Geographic)、「グリーンスペースプロダクション」(Green Space Productions)、そして「ネイチャーコンサベーションフィルムズ」(Nature Conservation Films)などで度々紹介されてきた。
更に、タヒチ、クックアイランド諸島、トンガ、ニューカレドニア、ニュージーランド、そしてオーストラリアの鯨流研究者が集う「南太平洋鯨類研究コンソーシアム」(The South Pacific Whale Research Consortium)の特別委員でもあるナン。科学者及びセクレタリーとして、それぞれの国が持つデータを照らし合わせ、回遊、個体数、遺伝的多様性などの答えを見つけると同時に、国際捕鯨委員会や科学的ジャーナル誌へのレポートを作成している。
またナンは「クック諸島鯨類教育センター」(The Cook Islands Whale Education Center)の共同設立者及びディレクターとして、クックアイランド諸島の住民や観光客を対象とした教育カリキュラムを作成している。
現在オールトラリアのサザンクロス大学で博士課程を取得中。
クレア・ガリグ(Claire Garrigue)
オークランド大学生物学部内にあるエコロジー&エボリューション研究室(Laboratory of Ecology and Evolution)にて、ニューカレドニアを回遊するザトウクジラの遺伝子構造を研究中。
クレアは1983年に南太平洋に移り住み、1989年からはIRD (Institut pour la Recherche et le Développement)に海洋生物学者として勤務。ニューカレドニアのノメア(Noumea)を舞台にサンゴ礁などの海底生態系を調査する様々なプロジェクトに加わった。
1994年、サイエンティフィックアドバイザーとして非政府団体「鯨類オペレーション」(Opération Cétacés)を設立したクレアは、冬にニューカレドニア湾を回遊するザトウクジラをはじめとする海棲哺乳類の調査プログラムを立ち上げた。2000年にAdelaideで開催された国際捕鯨委員会及び2001年にサモアで開催された国際会議には、クレアはニューカレドニアの代表として参加した。
彼女は1996年1月からハワイで、そして1993年6月からはカナダでも海棲哺乳類の調査を行っている。また学生やホエールウォッチャーを対象とした海棲哺乳類のコミュニケーションについての教育プロジェクトを作成し、プレゼンテーションやパンフレットの作成を行っている。ニューカレドニアでザトウクジラについての本も出版。
クレアはフランスにあるモントペリエ大学で、植物生物学及び生理学の博士課程を取得。