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クジラが魚を食べつくす?

最近、「クジラが魚を食べるから魚が減っている。だからクジラは獲ったほうがいい」ということをよく聞くようになりました。実は、これは捕鯨の必要性を主張するために日本が使っている決まり文句でもあります。でもこれは、本当なのでしょうか?

そもそも、現在日本が最も多くクジラを捕獲している南極海のミンククジラや、ナガスクジラ、そしてザトウクジラはオキアミというエビのような形をした小さな動物を餌としていて、魚は食べていません。

また、もし本当にクジラが魚を食べつくしてしまうのであれば、長い地球の歴史の中で私たち人間より遥かに長く存在しているクジラは、私たち人間が現れる前にすでに魚を食べつくしてしまっていたことでしょう。

海の生態系は長い年月を経て、そのバランスを保ってきました。このバランスが狂ってしまった原因をクジラに押し付けるのではなく、その本当の原因を探る必要があります。

人間が魚を食べつくす?

2003年5月イギリスの科学誌『ネイチャー』に「過去50年間で、タラやマグロ、カジキ、ヒラメなど主要な大型の魚の資源量が90%以上、減っている」という研究論文が発表されました。また、2006年には、カナダ・米国・英国・スウェーデン・パナマの研究者からなる国際研究チームが、「海洋生態系の破壊が現在のペースで進めば、2048年までには世界中の漁業は成り立たなくなる」と発表しました。そして、この減少は人間の魚の獲りすぎ、つまり乱獲が主要な原因であることを挙げています。

下の地図は、それぞれの海域での漁獲量の変化をその海域での漁獲量ピーク時と比較し、数値化・色分けしたものです。この地図を見ると、いかに過去40年間で魚の漁獲量が減少したかがわかります。この魚の減少の傾向は、過去に利益最優先でクジラを獲りつくしてしまったその傾向と非常に似ています。



( 出典:「サバがトロより高くなる日」 井田徹治 講談社現代新書 2005年)
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日本は世界でも有数の魚の消費国として知られています。その日本が、この魚の減少を「クジラの責任だ」と国際社会に主張することは、問題の本質をすりかえているにすぎません。日本の伝統的食文化を守り次世代への文化継承の為に、海洋環境保全と乱獲への対策が必要とされています。